日々雑感

とりとめのない感想

YOUR NAMEの配信を観て

去年はライブに一回も行かなかった。

コロナ禍で一番に考えたことは、職場のことだった。
しがないパートタイマーではあるが、職場にコロナを持ち帰ることは絶対にできなかった。

3月、前の年の12月からものすごく楽しみにしていた東京での
ISSUGIのバンドセットのライブを迷いに迷って、震えながらキャンセルした。
そのライブは結局、延期になり、中止になった。
思い返してみると、そのころが精神的に一番きつい時期だったように思う。

5月にはGEZANのロスカルドラム30時間が配信され、生きる気力を取り戻した。

6月、THA BLUE HERBの札幌からのライブ配信で、しばらく生きていけると思った反面、ライヴハウスが恋しくて泣いた。

ちょうどその頃、増子君の日記に出会い、Age Factoryを聴き始めた。
中年の夏にもAge Factoryの音楽は力を与えてくれた。

8月、私の感性は研ぎ澄まされていた。アンテナがNOT WONKをキャッチした。


2021年1月24日に観たYOUR NAMEのライブ配信の話だ。
手書きで私の名前が書いてあるチケットが郵送されてきた。配信なのに!
名前が書いてある私だけのチケットをもらったのは初めてだ。

ライブハウスに行けないコロナ禍の中で感じたのは、ミュージシャン、特にロックバンドからの愛情だった。とてつもなくでかい、命がけの愛情だ。
今まで何十年もそれに気づかずに生きてきたのか、今年感じた愛が大きかったのかは
正直分からない。

隣でAge Factoryを見ている夫がずっと涙を流している。
NOT WONKの演奏を聴きながら、加藤君に95年のジェフ・バックリィのツアーTシャツをあげたい、とタンスをひっくり返してる。
彼が何を感じているのかは、よく分かる。

コロナ禍で私がじっくりと見つめていたもの、それはたぶん私自身だった。
過去の自分、今の自分、未来の自分。繭につつまれているような生活の中で、私はずっと自分を見つめ続けていたような気がする。

名前を呼んでくれてありがとう。

何もかも投げ出して、ライヴに行こう。と思う日がある。
片方の腕をひっぱって引き止める自分もいる。
ただ今の私には分かっていることがある。
どうしようもなくなったら、もう生きていけないと思ったら、ライヴに行けばいいのだ。
その時は、本当に不要不急ではない。
そうやって生きてきたのだから。