日々雑感

とりとめのない感想

NOT WONKとbetcover!!のライブに行きました。

今年はとにかく具合が悪かった。緊張しているのに、頭と体と心がばらばらになって宙に浮いているような、落ち着かない地に足のつかない毎日だった。

 

秋ごろ、だんだんと腹が立ってきた。自覚をもって行動しろ。県外には出るな。集まるな。勤めている職場が職場だけに仕方がないと思って頑張ってきたが、良心に頼った約束のない我慢には限界があった。

 

ライブに行くしかなかった。

幸い感染者も減っていた。家族も背中を押してくれた。

 

ライブのチケットを取り、航空券の予約をし、宿の手配をするころには、毎日夕方になると出ていた謎の熱も出なくなっていたが、ライブ当日、家を出る時もそんなに軽やかな気持ちではなかった。

 

だが、渋谷クラブクアトロに入った瞬間から、もう嬉しかった。知らない人たちと開演を待つ時間が愛おしかった。

 

betcover!!は圧巻だった。ライブハウスでしか出ない名前のない物質が、脳内からドバドバと溢れ、フロアを天国にした。今、betcover!!を観ずにロックを語る人が居たなら、ちゃんちゃら可笑しいわと思いながら、マスクの中で声を出さずに笑った。

 

NOT WONKは、まずステージに立っている姿を肉眼で見られたことに、ジーン。しかし、加藤君は迷って苦しんでいた。50近くになってくると、その姿さえ素敵でありがたく思ってしまう。一緒に、迷って、悩んでくれる人がいることが、その姿を見せてくれることが、どんなに私たちの心を支えてくれているか。頭の中が空っぽになるライブも最高だが、何か考え事をしてしまうライブもまた最高だ。

 

行って損したライブなんてものはない。全部私の心のフォルダにしまってある。大切な記録だ。

 

生まれてきてくれてありがとう。生きてて良かった。

 

また、私には外に出られない暮らしが戻ってきた。それでも、しばらく頑張れそう。

ライブをしてくれてありがとう。ライブハウスを続けてくれてありがとう。